【京都市右京区】ここにあった斎王の野々宮発祥の社 病気平癒の伝説の霊石 西院春日を歩く!
平安時代に伊勢神宮の斎王に選ばれた皇女が伊勢へ赴くまでの間、心身を清めるための潔斎所となる「野々宮」は、その代ごとに新たに設置されたため、その名称や社が各地に残っています。実は「野々宮」発祥の斎宮とされるのは、西院にある野々宮神社です。
2023年8月23日の早朝に参拝しました。現存する斎宮の中で最もその風情をとどめるといわれる社です。奉られている2柱は、かつて斎王として出仕した姫君たちです。倭姫命(やまとひめのみこと)は垂仁(すいにん)天皇の姫君で、「初代の斎王」となり、布勢内親王(ふせないしんのう)は桓武(かんむ)天皇の姫君で、平安京遷都後「最初の斎王」となりました。
西院野々宮神社は、西院春日神社の南西1キロの所にあり、その御旅所でもあります。その西院春日神社は、天長10年(西暦833年)2月28日、淳和天皇が仁明天皇に譲位し、淳和院(西院)に移 ったとき、勅諚により奈良の春日四座大神を勧請し、守護神としたのが始まりとされています。
伝記によると、淳和天皇の皇女、崇子(たかこ)内親王の疱瘡(天然痘)が、春日大神への祈願で快復したとの伝承から、以来、皇室から病気平癒や災難厄除けの守護神と崇敬を受けてきたと言います。境内には崇子内親王の病気を治した神石と伝えられる伝説の霊石「疱瘡石」が保管され、時折公開されています。
境内には、多くのわらじが奉納されている旅行安全・還来成就の守り神「還来(もどろき)神社」や何事も無事戻ってくる、また健康回復のご利益があるとされる神石「梛石(なぎいし)」などがあります。
2023年8月26日には境内で、地元自治連合会などの主催による夏祭り・盆踊りが開催されます。ぜひ足をお運びください!