【京都市中京区】2026年NHK大河ドラマは豊臣兄弟 秀吉の甥の関白秀次の菩提寺は木屋町にあります。秀吉は秀次に本当に切腹を命じたのでしょうか?
木屋町三条を下がった所にひっそりと佇む「慈舟山 瑞泉寺」を2025年1月16日に訪れました。この寺は実は豊臣秀吉の甥で、秀吉が太閤になった後、関白となり、かの聚楽第を邸宅として、天下人の後継と目されていたとされる人物「豊臣秀次」の菩提寺です。境内には秀次とこの地、三条河原で公開処刑されたとされる妻子30数名の墓所やその際、大雲院の貞安上人が子女たちに極楽浄土への引導を授け続けたといわれる「引導地蔵尊」などがあります。
これまでの通説では、秀次が殺生禁断の比叡山にて正親町上皇の喪中に鷹狩りをしたなどのいちゃもんを付けられた挙句の果てに謀反の疑いをかけられ、高野山に追放の後に切腹した事件の真相は、「秀吉の側室となった、浅井長政と信長の妹であるお市の方の娘、茶々のちの淀殿に秀頼が生まれたため、秀次が邪魔になった秀吉に切腹を命じられた」といわれてきました。
しかし、最近の研究では、このことに疑問符を投げかける研究者も多くいます。「言経卿記」や「兼見卿記」には、秀次は自らの身の潔白を証明するため、自発的に高野山へ赴いたことが記されているのだとか。さらに、この頃の大寺院への流罪は、世俗を離れて出家させ、政権から遠ざけるが、決して殺す意志がないことを示す仕置きであったといわれているからです。
さらに秀吉は、唐入りの中止などを諫言した「関白殿下の上申書」などでもその才を評価していたり、「秀次高野住山」令においては、「高野山には付き添いの侍十名の他、食事の支度をする使用人を置いてもよい」と許可を出していて、秀吉の意に反して、自刃したのではないかといわれています。
仲野太賀さんが主演の豊臣秀長を務め、永野芽郁さんや吉岡里帆さん、浜辺美波さんなど豪華キャストで放映される2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟」で秀次がどのように描かれるのかは分かりませんが、歴史ロマンあふれる瑞泉寺へ立ち寄ってみてはいかがですか!
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