【京都市西京区】いよいよ2025年大みそか 西山山麓松尾谷で進む初詣準備と露店に心躍る年越し前夜
いよいよ2025年の大晦日を迎えた京都市西京区。西山山麓に広がる松尾谷周辺では、年の終わりならではの静けさの中に、新年を迎える高揚感が漂い始めています。地域の象徴である松尾大社では、大晦日に斎行される大祓式を前に、新年神事の準備が着々と進められていました。境内では神官や関係者が清掃や設営に追われ、迎春に向けた緊張感が感じられます。

大鳥居から続く参道では、初詣客を迎える露店の準備が始まり、所せましと並ぶ屋台が新年のにぎわいを予感させます。鳥居に取り付けられているのは、脇勧請(わきかんじょう)と呼ばれる榊の束。新しい榊に付け替えられ、年の節目を告げる清々しい光景が広がっていました。脇勧請は鳥居の原型ともいわれ、かつては榊の枯れ具合で農作物の出来を占ったと伝わる、古くからの信仰です。

境内の神楽殿前には、令和8年(2026年)の干支「丙午(ひのえうま)」にちなむ大絵馬が掲げられています。京都市出身の日本画家・戸倉英雄氏の原画をもとに制作された巨大絵馬は、高さ約3.2メートル、幅約5.5メートルの迫力。白馬が一ノ井川を跳躍し、神の使いとされる鯉が描かれた縁起の良い構図に、開運への願いが込められています。

松尾大社は平安京の西を守護する白虎の位置に鎮座し、「賀茂の厳神、松尾の猛霊」と称される皇城守護の神社です。酒造第一祖神としても知られ、境内に並ぶ奉納酒樽は訪れる人の目を引きます。

松尾谷周辺では、年越しの食卓を支える店々も忙しさを増しています。出し巻き工房すゑひろでは、おせち料理の具材や出し巻き、年越しそばを求める人の姿が見られました。さらに、bakerycafeパン教室なごみも年末年始にかけて営業予定。20年以上の経験を持つ職人が焼き上げるパンが並び、カフェスペースでゆったり過ごすこともできます。2026年2月15日には、「パンde婚活」イベントも予定されています。

信仰と暮らしが息づく西山山麓・松尾谷。ここで迎える大晦日は、一年を静かに振り返り、新しい年への願いを託す、特別な時間となっていました。





