【京都市東山区・中京区】八坂神社の月下氷人石って? 昔の人は迷子探しや落とし物さがしをどうしていたの?
今の時代のようにスマホも無ければ、交番も無い時代、迷子探しや落とし物探しはどうしていたのでしょうか? 年始には、初詣の人で溢れる八坂神社に2022年12月6日に所用で訪れた際に、南門にある謎の石がその問いに答えてくれました。
八坂神社の正門は四条通の突き当りの西楼門と思われがちですが、実はこの朱塗りの南楼門が正門です。「中村楼」のちょうど向かい側に「月下氷人石」はありました。
もともと拝殿の東側の忠盛灯篭の近くにあったことが、幕末刊行の『東山名勝図会』にも描かれていますが、八坂神社の「平成大修営」によって、1996年(平成8年)に現在地に移されました。月下氷人とは中国の故事で、今で言う「仲人(なこうど)」のことです。
この石の片方に「さがす方」、反対側に「おしゆる方」と彫られています。ここに迷子の名前を書いた紙を貼り、反対側に、知っている人が、ここに張り紙をする、尋ね人探しに使われていたようです。いわゆる伝言板ですね!
実は、同じような石が頭部を欠いていますが、北野天満宮境内茶室松向軒庭内にもあります。表面に「奇縁氷人石」と刻してあります。もう一つは、新京極商店街にある「ろっくんプラザ」の向かいにある「誓願寺」に。門前に「迷子の道しるべ」と書かれた石標が建っています。
まだ警察のなかった江戸末期から明治中期、迷子が深刻な社会問題となり各地の社寺や盛り場に建てられたそうです。京都市にはまだまだ面白い話がありそうです。初詣は京都へお越しくださいね!
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