【京都市上京区】出町桝形商店街「あくびコーヒー」の豆洗浄技術が評判 元サラリーマン店主の職人技
京都市左京区の出町桝形商店街にある「あくびコーヒー」で、独自の豆洗浄技術が話題を呼んでいます。店主の鈴木健太さん(43歳)は、生豆を徹底的に選別し、湯で洗浄する独自の手法で、雑味のないクリアな味わいのコーヒーを提供しています。2025年9月12日に訪れました。
鈴木さんは6年前まで大阪でサラリーマンをしていました。奥さんが堺で始めた喫茶店のドリンク担当をきっかけにコーヒーの世界に足を踏み入れ、その後本格的にコーヒーに魅了されました。3年半前に「コーヒーの激戦区で実力をつけたい」との思いで京都に移住し、元八百屋だった現在の店舗で営業を開始しました。
同店の特徴は「日本一しつこい」と自負する生豆の選別作業です。白っぽく糖度の低い豆や、形の悪い豆、欠けた豆などの不良豆を徹底的に除去。その後、米とぎのように湯で洗浄することで、豆の表面についた薄膜や汚れを取り除きます。この工程により、コーヒー本来の味わいが引き出されるといいます。
使用する豆はコロンビアとベトナム産、ブラジル産などで、特にベトナム産は特殊な処理方法を施した希少品種を扱っています。また、水にも強いこだわりを持ち、商店街の店が地下50メートルから汲み上げた地下水を分けてもらって使用しています。
「コーヒーの97%は水。京都の豆腐や日本酒が有名なのも上質な水があるからです」と鈴木さんは語ります。こうした取り組みが評価され、鈴木さんは韓国の焙煎大会で最優秀賞を受賞。国際的にもその技術力が認められています。店では焙煎したてのコーヒー豆の販売のほか、奥さん手作りの甘さ控えめなケーキも提供。商品パッケージは山科区の福祉作業所に依頼し、障害者支援にも貢献しています。
「商店街の皆さんは本当に親切で、地下水も分けていただいています。出町柳は典型的な観光地ではなく、地元の方や学生さんが多く訪れる温かい場所です」と鈴木さん。コーヒーを通じて地域との絆を深めています。今後は焙煎技術の普及活動にも力を入れ、コーヒーの美味しさや製法を多くの人に伝えていきたいと意欲を見せています。
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