【京都市中京区】後宇多天皇、以仁王、足利尊氏ゆかりの「むし八幡」の例祭で子ども神輿がにぎやかに町内を練り歩きました!
安産と幼児の守り神 「虫(むし)八幡」 として知られる「御所八幡宮」で2023年9月10日、秋の例大祭がおこなわれ、神輿渡御とともに幼児らによる子ども神輿が氏子地域内を練り歩きました。
「虫」は文字通りの「虫退治」という意味もありますが、子供の「かんの虫封じ」の信仰からきているのだそうです。今はあまり表現として使われなくなりましたが、「かんの虫」は「疳の虫」と書き、夜泣き、かんしゃく、ひきつけなどを指します。
高倉御池の角というまさに京都の中心部にある御所八幡宮という小さな社の歴史は奥深く、実は皇室や室町将軍家ゆかりの由緒ある神社です。この地にあった三条坊門万里小路邸は、1180年(治承4年)に、平氏討伐の令旨を発した後白河法皇の皇子でもある以仁王の邸宅があったので「高倉殿」とも呼ばれていました。
弘安元年(1278年)10月に二条内裏が焼失した際には、後宇多天皇が仮御所として行幸し、中院邸にあった社が御所八幡宮と呼ばれるようになったといいます。その後、南北朝時代になり、室町幕府の初代将軍・足利尊氏が、貞治6年(1367年)にこの地に八幡神を勧請して、御所八幡宮を再興したといわれます。