【京都市西京区】初詣は大原野神社から正法寺へ 午年ゆかりの勢至菩薩に出会う西山大原野の祈り旅
新年のはじまりに多くの人が訪れる、西京区大原野エリア。初詣を終えたあと、少し足を延ばすだけで、干支と深く結びついた仏さまに出会える場所があるのをご存じでしょうか。賑わいから一歩離れた先に広がるのは、心を整えるような静かな祈りの空間です。

午年の守り本尊とされる勢至菩薩は、阿弥陀如来、観音菩薩とともに「阿弥陀三尊」を構成する仏さまの一尊です。阿弥陀如来が極楽浄土の主、観音菩薩が慈悲を象徴する存在であるのに対し、勢至菩薩は智慧の光によって人々を迷いから救う役割を担っています。

午年に勢至菩薩が敬われるようになった背景には、日本独自に育まれた「守り本尊信仰」があります。中世以降、密教や陰陽道、民間信仰が結びつき、生まれ年の干支ごとに仏さまを配して人生の節目や厄除けを祈る風習が広まりました。その中で、午年には勢至菩薩が割り当てられ、信仰として定着していきます。江戸時代には寺社参拝と結びつき、午年生まれの人が勢至菩薩に手を合わせる習慣が各地に根づきました。

大原野神社のすぐ向かいにある正法寺では、境内奥に石像の阿弥陀三尊が安置されています。中央の阿弥陀如来を挟み、観音菩薩と勢至菩薩が並ぶ姿は、極楽往生の世界を今に伝えるもの。特に勢至菩薩は合掌する姿で参拝者を迎え、静かな力強さを感じさせてくれます。

初詣で一年の無事を願ったあと、干支にゆかりの仏さまを訪ねてみる。そんなひと手間が、新年の時間をより深く、意味あるものにしてくれるかもしれません。観光と信仰が自然に重なり合う、大原野ならではの正月の楽しみ方です。
- 住所
- 京都市西京区大原野南春日町1102
- 最寄り駅
- 阪急桂駅
- 電話番号
- 075-331-0105
※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。





