【京都市西京区】紫式部の氏神さま大原野神社で新緑とカキツバタやスイレン 人気10割蕎麦の店も夏模様
真夏日となった2024年5月19日に、西山の小塩山麓にある大原野神社に訪れると、参道や境内で新緑が日差しに照らされて映えていました。特に奈良の春日大社の猿沢の池を模して造られ、橋とスイレンの様子がモネの作品にそっくりともいわれる鯉沢池では、スイレンとともにカキツバタも群生していて、初夏の風情を醸し出していました。
大原野神社は、現在放映中のNHK大河ドラマ「光る君へ」で吉高由里子さんが演じる紫式部が氏神として崇敬した神社です。寛弘2年(1005年)3月8日に中宮彰子が本社に行啓、その父である左大臣藤原道長や紫式部がお供をした、その行列の絢爛さは、人々の眼をみはらせたと伝承されています。源氏物語二十九帖「行幸(みゆき)」の巻にも、大原野へと向かう冷泉帝の華やかで美しい行列の様子が描かれています。
また、「紫式部集」にある「ここにかく 日野の杉むら埋ずむ雪 小塩の松に 今日やまがへる(日野岳の杉林は、雪に深く埋れんばかりだ。 今日は、都でも小塩山の松に、雪がちらちらと散り乱れて降っていることであろうか。)」この歌は一条天皇の長徳2年(996年)、越前国の国司に任じられた父藤原為時に伴われて越前国の国府にやってきた紫式部が詠んだ歌として知られます。
境内にある手打ち蕎麦屋「そば切り こごろ」ものれんが新調されて初夏バージョンに変わっていました。辛味大根蕎麦や自家製にしん蕎麦など、いずれも蕎麦の実を自家製粉した大人気の10割蕎麦の店です。細すぎるほど細いのにしっかりとこしのある美味しいそば。ぜひそばがきも一緒に頼んでみてください!