【京都市上京区】雅な宮廷生活に思いを馳せ源氏物語ゆかりの地を歩く! 平安宮内裏跡には老舗油店中心にお洒落カフェも!
2024年の大河ドラマが紫式部を描く吉高由里子さん主演の「光る君へ」が発表されて以来、一足早く聖地への巡礼姿も見かけるようになりました。紫式部の「源氏物語」が著されてから1015年、やはりかつての平安王朝における宮廷生活が舞台にもなります。西陣の下立売通から出水通あたりに集中する跡地を2023年8月4日に巡ってみました。
平安宮内裏跡は下立売通西入の上京歴史探訪館前にあります。内郭の南辺には紫宸殿(ししんでん)、仁寿殿、承香殿、清涼殿などがあり、北辺には弘徽殿(こきでん)、飛香舎(藤壺)、淑景舎(桐壺)といった七殿五舎からなる後宮が存在し、それぞれの建物は廻廊や透渡廊(すきわたろう)で繋がっていました。ここで雅な宮廷生活が繰り広げられ、「源氏物語」の中心舞台でした。
そして、その向かいの老舗「山中油店」の玄関前では水車と町家の風情ある光景を見ることができます。この地は一本御書所跡で、平安宮内裏の東側、侍従所の南にあった施設です。
山中油店の裏には、平安時代、天皇の居所であった内裏の中心的存在である紫宸殿の東北に位置し、舞いや宴が行なわれていた殿舎である「綾綺殿」跡地で、創業200年の油の専門店「山中油店」の極上の油を使った定食やスイーツ、飲み物を楽しめる町家カフェスペースです。
弘徽殿は、後宮の中でも重要な殿舎で、「源氏物語」では朱雀院の母の弘徽殿女御が住み、女御は、光源氏の母の桐壷更衣が帝の寵愛を受けているのを恨んで執拗な嫌がらせをしました。後に女御の妹の朧月夜(おぼろづきよ)がここに住み、光源氏との密会場所としても描かれています。またそのことが、源氏の須磨隠棲の原因となったとも。現在は山中油店が運営するゲストハウスとして営業していて、それぞれの部屋の名前も平安宮の後宮に因んだものになっています。
「源氏物語」の主人公である光源氏の母は身分が低く、「桐壺」(淑景舎)に住んでいました。実は帝の住まう清涼殿からはもっとも遠い建物だったのです。帝から呼ばれて清涼殿に行くときにはどうしても他の后妃たちの部屋を通るため、「またか」と妬まれる要因にもなっていたとその様子が描かれています。
みなさん、かつての雅な宮廷生活を思い浮かべながらぜひ散策してみてください!