【京都市東山区】通常開催の祇園祭へ出かけてみよう! まずは全国2300祇園社の総本社八坂神社へ参拝
京の街では、甲高く響く鉦(かね)の音「コンチキチン」のお囃子が聞かれる季節となってきました。日本三大祭りの一つ祇園祭が2023年7月1日から31日にかけて開催されます。中でも、メインイベントとなる絢爛豪華な山鉾とその巡行は圧倒的な存在感があります。祇園祭は、全国2300社と言われる祇園社や八坂神社の総本社「八坂神社」の祭礼です。
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす。 おごれる人も久しからず、 唯春の夜の夢のごとし……」 有名な平家物語の冒頭の句です。実は、祇園精舎というのは、インドの有名なお寺なんですけども、インドの祇園精舎には当時梵鐘は無かったと言われています。ですから諸説ありますけど、この祇園精舎の守護神である牛頭天王を祀っていたかつての祇園社、現在のこの日本の八坂神社のことではないかともいわれています。
さて、その八坂神社はといいますと、平安京遷都(七九四)以前より鎮座する古い社です。この地域を支配していた豪族、八坂氏の氏神だったと言われています。明治以前は、神仏習合でしたので、主祭神を牛頭天王として、本地垂迹説に基づいて、薬師如来を仏様として奉っており、感神院祇園社となっていました。以来「祇園さん」と呼ばれ、市井の人々に親しまれているわけです。
八坂神社とされましたのは明治維新以後、廃仏毀釈、神仏分離令が出された際、全国の祇園社が主祭神を素戔嗚尊とすることとされ、感神院祇園社は廃寺に追い込まれてしまいます。その多くが八坂神社と改名してからなんです。
もともと牛頭天王というのは、悪疫を防ぐ神ですので、平安末期には、疫病の発生しやすいといわれます旧暦の6月に、疫病を鎮め退散させるため、その原因とされる、奈良時代から平安時代にかけて政治的に失脚した人々の怨霊がもたらす災いを鎮めようとした御霊会として、花笠や山鉾を出して市中を練り歩いて祈願するようになったんですね。これが京都の祇園祭の起源と言われています。
祇園祭というと、7月16日、17日前祭、24日の後祭に行われる山鉾巡行が有名ですけれども、祇園祭そのものは、7月1日のキップ入りから7月の末の疫神社の夏越祭まで開催されていて、神輿渡御やお稚児さんの参内など様々な神事が行われます。
2023年の祇園祭は通常開催として執り行われることが決定しています。みなさんぜひお出かけになってください!