【京都市伏見区】酒蔵と寺社仏閣が建ち並ぶ冬枯れの伏見中書島で清泉を求めて歩いてみました!
伏見は、豊臣秀吉が京と大坂の中継点として、桃山丘陵に伏見城を築いて城下町として発展。江戸時代には、伏見奉行の支配下となり、高瀬川が開削され、京都と大坂を結ぶ淀川水運の起点として栄えました。そんな伏見の街を2023年1月22日の冬枯れの時期に歩いてみました。京阪中書島駅近辺では、良質の硬水が各所から湧きだしていて、新高瀬川沿いなどに古い酒蔵が今も建ち並んでいます。
長いアーケード商店街の納屋町商店街、大手筋商店街を東へ抜けると、京阪伏見桃山駅があって、「御香宮」の朱色の鳥居が見えてきました。御香宮は、「お腹に子供(のちの応神天皇)を妊娠したまま筑紫から玄界灘を渡り朝鮮半島に出兵して新羅の国を攻めた。」との神話伝承で知られる神功皇后を主祭神としていることから、子育て安産祈願の神として崇敬を集めてきました。
境内には、名の由来となった清泉「石井の御香水」がこんこんと流れています。伏見の七名水の一つで、徳川頼宣、頼房、義直も、この水を産湯として使ったと言われています。昭和六十年一月、環境庁(現、環境省)より「名水百選」に認定されました。
また、このご香水と同じ水脈の水が、鳥せい本店の北側からも流れています。 白菊水といって、山本本家の酒、「神聖」の仕込みに使われる名水ですが、新型コロナ禍で、現在は、給水を中止しています。
もう一つ、京阪中書島駅から蓬莱橋へ行く途中にある「長建寺」には、中国寺院で見かける竜宮門があります。京都で唯一八臂弁財天を本尊とする寺院です。「島の弁天さん」として親しまれ、京都で最も開花が早いといわれる枝垂れ桜「糸桜」があることでも知られています。
ここにも、閼伽水(あかすい)と呼ばれる名水のひとつが湧き出ています。閼伽水とは、仏様に供える水のこと。月桂冠大倉や黄桜に使われる水と同じだと言います。
美味しい伏見の酒の秘密はこの名水にあったのですね! 伏見散歩へお越しください。