【京都市北区】西陣に隠れた名店「おばんざい和さび」 ビブグルマン常連の絶品「ハモの黄身揚げ」
京都市北区・堀川通鞍馬口の角にある「おばんざい和さび」は、静かな住宅街の中で長年愛されてきた“隠れ家的”な名店です。落ち着いた西陣の街並みに溶け込むように佇む店構えの奥には、実力派料理人が手がけるおばんざいが待っています。
本日のおばんざい盛り合わせで出てきたのは、蓮根、地鮎、鶏の肝、つくねとどれもめちゃ美味だったのですが、なんといっても、ハモの黄身揚げが絶品。店主の友一さんがうちの名物ですよと。最初は、正直、カレー味のハモかと思ってしまい、大変失礼なことをいってしまいました。今が旬のハモを丁寧に骨切りし、良質の卵の黄身だけを何個も使ってカリッと揚げる匠の技でした。
食べてみるとパリッパリで、身の跳ね上るような食感を残しながら、卵のまろやかさに包まれた新食感です。骨切りの包丁を持たせていただきましたが、重い。他でこの逸品を出している処は知るかぎりありません。思わず、単品でもう一皿頼んでいました。
料理を手がける寺井友一さんは、料理人歴55年。嵐山の老舗旅館「嵐峡館」で15年を料理長として活躍しました。その後もさらに上流のホテルの料理長を務めるなど経験豊富で、上海万博への国内派遣候補にも選ばれたほどの腕前です。
「おばんざい和さび」は、2009年に北山新町で創業し、現在の紫野宮東町には8年前に移転。寄り添って23年になる女将のみささんと仲睦まじく営んで、2025年7月で開業16周年を迎えました。前の店から合わせてビブグルマンを5年連続で受賞しており、食通の間でも評価の高いお店です。
店内には、宮川町の舞妓さんが夏の挨拶として配る京丸うちわが飾られ、京都らしい風情が感じられます。また、「エレベーター」と呼ばれる一品(カリッと焼いた薄揚げに大根おろしをのせた料理)など、遊び心あるメニューも人気です。料理と共に、店主と女将のあたたかなもてなしもこの店の魅力のひとつ。西陣エリアを訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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