【京都市上京区】150年続く老舗和菓子店の鳴海餅本店さんに聞きました! 京の生菓子みな月の本当の由来
暑い日が続きますね。さて、昔の人はどうやって涼を取っていたのでしょうか? この3月に創業150周年を迎えた鳴海餅本店のアトツギさんである営業企画部長の鳴海力哉取締役に2025年6月26日にお話を聞きました。平安時代から宮中では、氷の朔日といわれる儀式が行われていました。その昔の中国に由来し、氷室に保存してあった氷を群臣に賜る儀式だそうです。
そして一般的に流布されている説によると、水無月の由来は、「氷を創り出すことができるようになったのは、明治期以降で、冬の間に山間などにつくられた氷室に氷を貯蔵し、夏に出して食べる貴重品のため、やんごとなき人々にしか流通せず、庶民は、それに代わるものとして、麦粉で作ったものに小豆を混ぜ氷の如く三角に切り暑気払いに食した」のが始まりだといわれています。
しかし、それにも諸説あるようです。鳴海さんによると、「氷の朔日とは別軸で練ったお餅を夏越の祓で食べる水無月の餅の風習も古くからあり、氷に似せて作ったという確かな文献が残っている訳ではないんです。江戸時代になって、三角に切ったこんにゃくを水無月に見立てた料理のレシピなどが残されていて、砂糖を扱えるのが和菓子屋さんだけでしたので、どこかの時点で、宮中の氷の朔日と水無月の餅の風習をくっつけようとのマーケティングが働いたのかもしれませんね。 」とのことでした。
鳴海屋本店さんでは、小麦と米粉で作る水無月の小麦の割合を高め、よく練る、まさに餅は餅屋の匠の技で、もっちり感の強い食感のしっかりとしたみな月だそうです。実際に食してみると、甘納豆とよく合って、めちゃ美味でした。黒糖味と抹茶味があるのでお好みでどうぞ。
他にも、これから夏らしい「ぽち餅-れもん-」始め、葛饅頭、わらびもち、冷やしみたらし、さらには鴨川に鮎が上って来ることに因んだ鮎など涼しい和菓子が目白押しです。6月30日は大勢の人が水無月を買いに来られますので、早めに立ち寄られるのが良いかと思います!
鳴海餅本店はこちら↓