【京都市西京区】桂川で愛宕常夜灯と出会う 2024年の愛宕山愛宕神社の千日詣りは10日間昼間のみ
京の神山の一つ愛宕山は「千日詣」(正式には千日通夜祭)といって、7月31 日の夜間に登れば1000回登ったのと同じ火伏・防火の御利益(ごりやく)があるといわれ、これまで7月31日夜から8月1日の早朝にかけて麓の清滝から山頂の愛宕神社までの約4kmの登山道(表参道)には明かりが翌朝まで点灯され、数万人の参拝者で境内参道は埋め尽くされてきました。
2024年は諸般の事情により夜間早朝の神符授与・社頭応対はなく、10日間に亘って昼間の参拝が「千日詣り」とされることになりました。
~令和六年 千日詣についてのお知らせ~ 新たな法改正と現下の社会事情により夜間の通電並びに設営が困難となりました。 これに伴い7/23~8/1の昼間を千日詣といたします。 (神符授与 祈祷 御朱印は午前9時~午後4時) 夜間早朝の神符授与・社頭応対は致しません 何卒御了承下さい (総本宮 京都 愛宕神社ホームページより)(外部リンク)
かつては、京都の家庭や飲食店の多くに愛宕神社の「火迺要慎」のお札が貼られていました。京は昔から、愛宕信仰が篤かったようです。愛宕山山頂にある愛宕神社は、古くから修験道の道場だったようで、愛宕信仰は、修験者によって江戸時代中頃から日本全国に広められました。
戦国時代、久我畷から北へ、現在の桂大橋あたりは、桂の渡しと言われたようです。その桂大橋西詰めに、大きな愛宕常夜灯があります。また地蔵寺前、本願寺西山別院近く、川原町公会堂前、西京極など、桂大橋から真っ直ぐに延びる道(昔の山陰街道)を歩くと常夜灯が結構残っています。この街道は、当時、重要な幹線道路だったようですね。
愛宕講には、代参講があり、名簿の順に、月ごとに代表が愛宕山の愛宕神社に参拝したのだとか。講箱が廻ってきた家は、講の代表として参拝すると共に、「愛宕常夜燈」に毎夜燈明をあげることになっていたのだそうです。桂の渡しに灯が燈され、幾千の日々を、川を行き来する船の安全を見守ってきた灯が、川面に映し出される光景を見てみたかったものですね。