【京都市中京区】京の夏の風物詩 祇園祭の山鉾建てが始まりました 鶏鉾では紙御幣取付厄除け神事 放下鉾では祇園祭焼き印入りどら焼きも登場
祇園祭の鉾町となる四条通を挟んだ室町通や新町通周辺を2024年7月11日に訪れてみると、前祭で山鉾巡行に参加する山鉾建てが始まっていました。新町通綾小路下ルの船鉾では、粋なはっぴ姿の人たちが、釘を使わずに縄で部材を固定する伝統的な手法である「縄がらみ」を用いての組み立てに追われていました。
室町通四条を少し下がっていくと、「鶏鉾」では鉾を横に倒して組み立て、中心に「真木」と呼ばれる柱が通されていました。鉾町の人たちの呼びかけで、街ゆく人たちもそれぞれ願いを込めて、厄よけの「紙御幣」を取りつけた後に、鉾と一緒に「真木」が建てられました。
新町四条を上がると、真木のなかほどの「天王座」に放下僧の像を祀るのに由来し、鉾頭は日・月・星三光が下界を照らす形を示すという「放下鉾」でも鉾建てが始まっていました。放下僧とは、中世から近世にかけて行われた、田楽の流れをくむ大道芸の一つで、僧形をし、こきりこと呼ばれる楽器を持ち俗謡をうたって舞い歩いたといいます。残念ながら、部材劣化のため、一般拝観者の搭乗は当面中止とのことです。
この地域では、京印章の「京都インバン」が、コロナ禍での売り上げ減や脱はんこの流れの中でもめげずに社運をかけて異業種参入したという施設内のどらやき屋さん「くろーばー結び 四条新町店」が、絹糸モンブランや生クリームシャインマスカット、生クリーム&いちじくといった旬の素材を使った季節限定商品などがインスタ映えがすると話題にもなっています。そして、この季節限定で、どの商品にも祇園祭限定の鉾の焼き印が押されています。
月鉾や函谷鉾、長刀鉾でも町衆の人たちに大工方・手伝い方・車方と呼ばれる職人たちも加わって、鉾建てが進んでいました。それぞれの鉾町では、組み立てを終えたあと12日頃から、装飾品などの一般公開が行われ、13日には放下鉾、船鉾、岩戸山、蟷螂山などで本番さながらの曳き初めが行われる予定で、17日の山鉾巡行に臨みます。
みなさん祇園祭に来られる際は熱中症対策など万全にお越しください!