【京都市西京区】苔寺門前の創業75年のそば屋でたべたとろろそばがめちゃ美味でした!
枯山水庭園を本格的に定着させた名作庭家としても知られる夢窓疎石が造園し、境内を約120種類の苔が覆い、緑のじゅうたんを敷きつめたような美しさから「苔寺」とも呼ばれる臨済宗の寺院、西芳寺(さいほうじ)。その門前には「元祖苔乃茶屋」と「柚之茶屋」の2軒のとろろそばの店が立ち並び名物となっています。
その内の一つ、「柚之茶屋」を2024年3月9日に訪れました。昭和の風情そのままの店構え。坪庭の前にある扁額「苔の月」は、この店の名物とろろ蕎麦の逸品を「苔寺の池の面に映える月のよう」と絶賛した村上慈海金閣寺十三代管長の命名によります。
早速に京都の伝統の味「苔の月」を注文しました。生の山芋をすり下ろしたとろろとたまごを出し汁に浸して、細めの蕎麦に絡めて食べるとめちゃ美味、柚子のさわやかさも良き。それもその筈、すり鉢で丹念にすられた山の芋は京丹波くん田産の最高級品、蕎麦は、戸隠の蕎麦を四分六に手きりしています。四六蕎麦がとろろに一番合うのだそう。
この店の初代が曾祖母になるという大前泰菜さんに伺いました。「柚之茶屋」は、昭和25年にヒットした映画「帰郷」で苔寺が一躍有名になった際、観光に来た曽祖母が参道を気に入り、その場で空いていた現在地を「ここで商売したい」と購入した昭和の豪快な話が始まりだそう。縁のあったくん田の山芋を使ったとろろ蕎麦を発案したといいます。
周辺には地蔵院や浄福寺などの名刹もある松尾近辺にぜひ足をお運びください!