【京都市西京区】桂大橋の愛宕常夜灯 幾千の日々を、川を行き来する船の安全を見守ってきた灯です!
かつて、桂川は、梅雨の時季や秋から冬への台風などでは、決まって洪水を引き起こし、流路もそのたびに変わるほどの、暴れ川だったとか。桂川周辺は、度重なる洪水で、陸路を確保するのが難しいほどに、湿地、泥地が広がっていました。2023年1月17日に京都市西京区の桂大橋近辺を散策しました。
さて、桂大橋西詰めに、大きな愛宕常夜灯があります。桂大橋から真っ直ぐに延びる道(昔の山陰街道)を歩くと常夜灯が結構残っています。桂大橋西詰、地蔵寺前、本願寺西山別院近く、川原町公会堂前、西京極など。この街道は、当時、重要な幹線道路だったようですね。
京都の家庭や飲食店の多くに愛宕神社の「火迺要慎」のお札が貼られていますが、京は昔から、愛宕信仰が篤かったようです。愛宕山山頂にある愛宕神社から発祥した神道の信仰で、京都だけでなく全国にも広まっています。愛宕神社の神様は、「火伏せ」に霊験のある神として広く信仰されるようになったといいます。
愛宕山には「千日詣」といって、7月31日の夜間に登れば1000回登ったと同じ御利益があるという話もあります。また愛宕講には、代参講があり、名簿の順に、月ごとに、代表が愛宕山の愛宕神社にお参りをしたと言います。講箱が廻ってきた家は、講の代表としてお参りをすると共に、「愛宕常夜燈」に毎夜燈明をあげることになっていたのだとか。
桂の渡しに灯が燈され、幾千の日々を、川を行き来する船の安全を見守ってきた灯が、川面に映し出される光景を見てみたかったものですね。